2021年1月にベトナムの次なる10年の戦略が示されました。
ベトナム投資をする上で、少しでも知っておいた方がよいと考えこの戦略についての少しだけ調べてみました。
当初は全体像をまとめた記事にしようと考えていましたが、分かりやすい記事にはできないと断念。
調査した結果に対する雑感を記事にまとめることとしました。
ベトナムの10カ年戦略とは
今年2021年の1月にベトナムでは党大会(ベトナム共産党第13回全国代表者大会)が開かれ、次なる政府人事や今後の国家戦略について議論が行われたようです。
こんなことを言っている私は政治経済に全く興味がなく、この事実を完全にスルーしておりました(^^;
今年の6月からベトナム投資を始め「この辺の情報も抑えていかないといけないなぁ」と思い調べたところ、この情報を知ったというわけです。
この党大会で話し合われ決定した内容として「政治報告」や「5カ年計画」そして「10カ年戦略」が含まれているようです。
どうやらこの「5カ年計画」や「10カ年戦略」というのは、1986年に政策導入されたあの「ドイモイ政策」の流れを汲んでいて、ベトナムという国家の方向性を決める大事な計画のようです。
逆にいうと、この計画・戦略を見ればこれからのベトナムでどのような産業が勢いを増していくのかを占うことができるとも言えるのだと思います。
それは「絶対にこうなる」ということではなく、国家の方針が決まることで、国が推し進める産業に外国企業が参入しやすくなったり、「現地での立ち回り」がやりやすくなる、あるいはその逆になることを意味するということなんです。
私はそこから長期的な株価の動きも読めるのではないかと考えています。
2021年の党大会の概要についてはジェトロのサイトを参照
肝心の2021年の党大会の内容についてですが、詳しく調べたうえで分かりやすくまとめてみたいと思っておりましたが、とりあえず今日時点ではできませんでした(^^;
いまの私ではベトナムの政治や経済の基礎知識やベトナム語の能力など足らないことが多すぎたみたいです。
代わりに、ジェトロの公式サイトで党大会の概要や「5カ年計画」、「10カ年戦略」についてまとめたレポートが公開されておりましたので、そちらを共有させていただきたいと思います。
ジェトロのレポートは3つに分かれています。
↑3番目が、「10カ年戦略」を中心にまとめられたレポートで、今後10年の経済の動きについてはこちらをご覧いただければ、方向性が見えてくると思います。
2045年までに「高所得国」を目指すベトナム政府
ジェトロで公開されているレポートを私もざっと目を通させていただきました。
このレポート、本当によくできているなぁと思いましたよ(^^;
やっぱりこれくらいじゃないとダメですね(;´・ω・)
このレポートの中でも「ベトナム共産党第13回党大会の結果(3) 経済発展の方向性」を読んで印象に残ったのは、ベトナム政府が2045年を目標に「高所得国」を目指しているという部分ですね。
「高所得国」の具体的な内容については言及されていなかったとは思いますが、2030年の目標値でさえも1人当たりGDPが2020年のおよそ3倍の7,500 USDに設定されていますので、現在のベトナムの水準とは雲泥の差となる発展の仕方を見据えているのだろうなぁと想像します。
今後10年はデジタル関連の産業に注目
2011年からの10年間はハイテク産業へ注力するという戦略だったようです。
その中にはバイオ産業や新素材産業などが含まれていたようですね。これに対し、2021年からの10年では、再生エネルギーや「デジタル」をキーワードとした経済・産業の推進が盛り込まれているそうです。(逆に表現すると、バイオ産業、新素材産業の記述がなくなっているのだそうです)
またこれまでは外国からの直接投資を受ける形で製造・輸出をして経済を盛り上げてきたわけですが、今後の10年ではベトナム国内でイノベーションを作り出せるような体制を目指していきたいと考えているようです。
つまり外資に依存しない国家づくりに方向を変えていく意思が盛り込まれているということみたいですよ。
サムスンが生産拠点をインドに移管するかもしれないという噂も
この記事を読んでいて「あれ、そうなの?」と思ったのは、あのサムスンが生産拠点をベトナムからインドに移転するかもしれないという噂(憶測)も出回っているようです。
もし、そうなればベトナム経済が受けるダメージは結構大きいんですよね。
もちろん、それだけでベトナム経済がダメになるというわけではありませんが、そういうことも起こりえるということを政府は危機感として抱いているのだと思います。
今後10年はベトナムのデジタル関連の産業に要注目!
この記事ではあまり詳しい考察はできませんが、ジェトロが公開しているレポートを読んだだけでもベトナムにおける今後10年の戦略が見えてきました。
海外からの直接投資を受けた製造業の発展も恐らくしばらくは続くと思います。これまでは縫製などの労働集約的な産業の割合が大きかったわけですが、今後の10年ではデジタル産業関連が生まれ、伸びていきそうです。
一足飛びにデジタル産業が主流になるわけではなく、まずは自動車産業やハイテク産業などの高付加価値製品の製造が伸び、10年後にデジタル産業が軌道に乗り始めるというような感じではないかなぁと予想します。(ちなみに、ハイテク産業とデジタル産業との区別も微妙なわけですが、その点については今後徐々に勉強していこうと思います(^^;)
私はベトナム投資でも基本は投資信託(インデックス投資)を中心にしていくつもりですが、こういう目線をもってベトナムの産業を見ていき、チャンスがあれば個別株の購入も検討していきたいと考えています。
まとめ
ベトナムの10カ年戦略について、ジェトロが公開しているレポートを軸に私の雑感をまとめました。
2021年1月にベトナムの党大会において、「5カ年計画」や「10カ年戦略」が決まりました。
これにより今後のベトナムの動きの大きな方向性が示されたことになります。
恐らくは海外からの直接投資やベトナム国内の経済もこの計画・戦略に大きく影響を受けることになるでしょう。
今年や来年、すぐにその結果が出るものではないと思われますが、中長期的な投資を基本とするインデックス投資をするうえで大変参考になる内容だったと感じています。
機会があれば、ベトナムの「5カ年計画」、「10カ年戦略」のより具体的な内容を整理して今後の投資活動の参考にしたいと考えています。
その時には、改めて記事としてまとめたいと思います。