ベトナムのコロナと株価の現状

ベトナム

2021年7月 ベトナムではコロナ感染の急激な広がりがあり、事態が急速に深刻化しています。

これに伴い、株価も下落しています。

ベトナムにおけるコロナ感染の現状と株価についての意見を記事にまとめました。

ベトナムの現状はどうなっているのか?

ベトナムのコロナ感染とその対策については日本のメディアでも取り上げらることがあり、ご存じの方もおられるかもしれません。

現時点でベトナムではまさに感染爆発の状況にあり、本記事執筆時点で感染者数は累計で約142,000 人となっています。

感染者数の具体的な数字はベトナムの各メディアで掲載されていますが、私がいつもチェックしているVnExpressが分かりやすいと思いますので参考までに以下にリンクを貼り付けておきます。

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上記のVnExpressの中で感染者数のチャートが掲載されています。そのチャートの一部を以下に示します(ベトナム語の部分は日本語に翻訳してあります)。

ベトナムのコロナ感染者数の推移(VnExpress誌:https://vnexpress.net/covid-19/covid-19-viet-nam)

上記のチャートを見てもお分かりになるように6月中旬過ぎから感染者数が急激に増えています。

この記事を執筆している日の感染者数(執筆時点での最新情報)は8,620人となっています。

以下の記事の中にも書きましたが、7月18日時点で感染者数は累計で50,000 人ほどでした。

しかし、本記事執筆時点の7月31日には上述したとおり140,000 人強と3倍に迫る勢いで感染者数が増えているのです。

まさに指数関数的に増えているわけです。

2021年春まではコロナ感染の広がりを抑えられていた

ベトナムは今年の春まではコロナ対策で世界の中でも非常に優秀な国の一つに数えられていました。

コロナが流行した直後の対応が本当に的確で素早かったからだと思います。

ベトナムがコロナの広がりを抑えられた要因

なぜベトナムがコロナの広がりを抑えることができたのか、その要因を私は次のように考えています。

  1. 空港での水際対策を徹底した
  2. 躊躇なく都市封鎖を実施した
  3. 感染者や感染者との接触者を5つの段階に区分して徹底的に管理した

上記の3つをかなり早い段階に行ったのが功を奏したものと考えます。

当然ですが、今年予定されていたF1の開催も見送りました。F1開催自体がどれだけ感染爆発に影響するかはわかりませんが、もしF1を開催した場合、ベトナム政府の各種判断への影響や市民の混乱などが予想されるため、中止をしたことはやはり正しい判断だったと思います。(海外からゲストを招き入れれば、ベトナム政府として思い切った判断もできなくなるので)

上記3つの内でも1と2ができたのは、社会主義国家ならではないかと思います。

2021年6月から徐々に増え始め、現在は感染爆発の真っ只中

繰り返しになりますが、2021年6月から徐々に増え始め、現時点(2021年7月末)で完全に感染爆発の真っ只中という状況。

感染者数急増の中心地はホーチミンやその周辺省。

ホーチミンだけで累計感染者数の60%以上という状況なんです。

ちなみに、ベトナムの首都であるハノイにおける累計感染者数は1,330人で、実は累計感染者数の1%にも満たない数なんですよ。

これは本当にすごいことだと思うんですよね。そして、このような状況下でもハノイは都市封鎖を行っています。

先週からは(ベトナムの昔ながらの)市場やスーパーに買い物へ行くための券を発行して、買い物客の密集を避ける措置まで始めました。これはハノイが最初に始め、次いで今週からホーチミンでも同様の措置を始めたわけです。

ハノイは国家の首都であり、国家の威信にかけても感染爆発をさせないという強い意志が伺える対応だなと思いました。

VnExpressより引用:https://vnexpress.net/ha-noi-se-phat-phieu-di-cho-toan-thanh-pho-4331589.html

ただ、南部の感染爆発は止まりそうもなく、かなりやばい状況と言えるかもしれません。

一時緩和されていたようですが、現時点でベトナム国内の移動も再び制限されるようになったみたいです。地域ごとに感染者数の大きな偏りがあるので、都市封鎖や移動制限は致し方ないと言ったところです。

労働集約型産業には生産への影響も出ている様子

縫製工場などのような労働集約型の工場では、生産活動を行うための条件が当局から発行されていて、かなり制約があるみたいですよ。

ただ、その条件をクリアして生産活動をする工場の中にも、集団感染を引き起こす工場が出ているようで、かなり厳しい状況です。

現在のベトナムは、チャイナプラスワンとして低コストで労働集約型の産業を担い経済発展してきたわけですので、このような状況下で稼働できないのは、ベトナム経済に影響が出てもおかしくないと言えるかもしれません。

VN-INDEXも一時下落・・でも8月には回復する・・かも?

6月末の時点で「コロナ禍でも好調」だと思っていたベトナムの株式指数、VN-INDEXも7月に入り感染爆発の様相が露わになると10%ほど下落しました。

以下はTrading Viewというサイトで公開されているVN-INDEXの推移を引用したものになります。

2021年は2月に一度落ち込んでいるもののその後なんだかんだと右肩上がりだったのが見て取れると思います。

Trading Viewより引用(ベトナム語は日本語に翻訳済み):https://vn.tradingview.com/symbols/HOSE-VNINDEX/

既に下げ止まって、8月には回復する?

2021年6月が約1,400ポイントで最も高い数値を記録していましたが、7月中旬には10%ほど下落しました。

↓は前項で示したVN-INDEXの推移の内、2021年6月~7月末までを拡大して表示したものになります。

これを見て思うのは「実はVN-INDEXの下落、既に終わっているんじゃないか」ということ。

そうなんです。これだけ感染爆発しているベトナムですが、実はVN-INDEX的には既に回復傾向にあるのではないかと読めるんですよね。

勿論、まだまだどうなるかはわからないわけですが、少なくともこのチャートだけで考えると、8月には回復しそうな気配です。

「ベトナム、強し!」と言った感じです。

私的には8月の初旬に積み立てる際、少しでも株価が下がっていてくれればラッキーという感じですね(笑)

それにしても、「どこまで期待されているんだ、ベトナム」と言いたくなります。

Trading Viewより引用(ベトナム語は日本語に翻訳済み):https://vn.tradingview.com/symbols/HOSE-VNINDEX/

世界的に見ても、落ち着きを取り戻すとする見方が強まっているのかも

↑のような指数の回復は、もしかすると単純にベトナムの底力が評価されたのではなく、もっとマクロな視点で経済回復が予想された結果なのかもしれません。

というのも、供給量や副作用(?)あるいは接種後の感染の問題が指摘されているとはいえ、確実にワクチンは世界中にいきわたりつつありますし、ワクチン以外の薬についても研究が進められています。

また昨年の春先のような未知のウィルスに対して、的確な対処法を手探りで模索するという時期も過ぎ、医療従事者だけでなく私たち一般市民の当該感染症に対する基本的な知識が広まってきてパニック状態ではなくなりつつあります。

このような状況から、コロナ前の経済活動に戻る日も近いと考える投資家も増えているのではないでしょうか。

そうした楽観視がVN-INDEXを回復させる力となっているのかもしれません。

まとめ

ベトナムのコロナ感染症の広がりの状況と株式の様子についてまとめました。

ベトナムのコロナ感染症の爆発具合は本文でチャートとして示した通りです。この傾向は残念ながら当面の間収まらないのではないかと思います。

ただし、ベトナム政府が行っている徹底したコロナ対策が成功すれば、ベトナム全土での流行は抑えられ、結果として経済への影響も限定的にとどまるかもしれません。

そうなるかどうかは、現時点では正直何とも言えません。8月の感染者数の推移をウォッチし続けたいと思います。

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