【あと何年人口増が続くのか?】ベトナムの人口構成まとめ

ベトナム

今後のベトナム経済の動向を予想するべく、今回はベトナムの人口構成について調べた結果を記事にしました。

いわゆる人口ピラミッドと人口ボーナス期について分析した結果を主に国際連合人口基金とジェトロの資料から引用してご紹介したいと思います。

ベトナムの人口構成について調べてみました

私が初めてベトナムを訪れた2010年、私の赴任先の現地法人で働くベトナム人は本当に若い人たちばかりでした。

ベトナム戦争の影響で30代後半~50代くらいの人が非常に少ないと聞いていましたが、まさにそういう感じになっていました。

若い人たちが多いため、その分結婚年齢も早く、私も随分「行き遅れ」といじられましたよ(笑)(当時、私は32~3歳でしたけどね)当時は、男女ともに28歳を過ぎると「行き遅れ」扱いだったと記憶しています。

早く結婚するだけでなく、結婚したら即妊娠、そして出産というルーチンが完全に定番になっていて、日本では考えられないような数の妊婦さんを目の当たりにしました。

そんなベトナムも、私が赴任中の10年位の間に相当変わったように感じました。

いわゆる晩婚化で、私がベトナムを後にした2019年時点では30歳過ぎて結婚していなくても割と普通になっていたように感じています。

経済発展に伴い、やっぱりこういう動きになるんだなぁとしみじみと思いました。

この「晩婚化」から少し飛躍してしまいますが、今回はベトナムの人口構成に着目した情報をまとめることにしました。

日本は既に、私が子供の頃に学校で学んだとおりの高齢化社会を迎えています。ベトナムはどうなんでしょうか?

また、ベトナムの人口構成についてベトナム政府や第三者機関はどのように捉えているのか情報を調べてみました。

ベトナムの人口構成と今後の展望

ベトナムの人口ピラミッド(2019年)

ベトナムの人口ピラミッドですが、なかなかいいデータが見つからなくて焦りました(^^;

最終的にたどり着いたのは国際連合人口基金(UNFPA)のサイト。

UNFPA Tokyo
In UNFPA Tokyo and around the world, UNFPA, the United Nations sexual and reproductive health agency, works to ensure that every pregnancy is wanted, every chil...

このサイトでは各国の人口統計データをまとめているようで、ベトナムのデータもしっかりありました。(↑のURLは、国連人口基金の東京事務所のページになります。メニューの「データ」からベトナムの人口のデータにもアクセスできます)

データの出所は国連の調査結果ということで、ベトナムの国勢調査の結果と整合しているのかどうかはわかりませんでした。

ただ国連のデータということで、ある程度の信頼性は十分担保されているのではないかと思っています。

直近のデータとして2019年の人口ピラミッドを以下に示します。

人口ピラミッドはまだピラミッドっぽい形を維持していることがわかりますよね。25歳未満の人口は寸胴になっていますけど。

人口の集計結果の分析を読む限り、現時点で労働人口が従属人口の2倍にあたる「人口構造の黄金期」を迎えているようです。

この「人口構造の黄金期」というのは、ベトナム語の表現そのものなわけですが、いわゆる人口ボーナス期を迎えていると考えてよさそうです。(人口ボーナス期の定義も、実際のところ厳密に決まっているわけではないようですが・・・)

ただ、高齢化も進んでいるようで、ベトナム政府も高齢化社会に備え社会保障費などの対策を意識し始めているようです。

ベトナムの人口ボーナス期はあと何年続く?

前の項で示した人口ボーナス期ですが、一体あと何年くらい続くのでしょうか?

人口ピラミッドの情報を調べるうちに良いデータを見つけることができましたので、ご紹介したいと思います。

それはジェトロがまとめているデータで、以下からPDFをダウンロードしてみることができます。

【世界】人口ボーナス期で見る有望市場は(2015年2月) | 調査レポート - 国・地域別に見る

知る人ぞ知る「ジェトロセンサー」という月刊誌の記事になります。

ベトナムだけに着目した記事ではありません。

この記事の中の「主要国・地域の人口ボーナス期」という表の抜粋が以下になります。(細かな表現や文言などは少し変えています)

主要国・地域の人口ボーナス期(抜粋)

表を読むうえでの注釈は次のようになります。

  • 青色:従属人口比率が低下、かつ生産年齢人口/従属人口が2 倍以上の期間
  • 黄色:生産年齢人口/従属人口が2 倍以上の期間
  • 老年化指数:若年人口に対する老齢人口比率(老齢人口/若年人口)数値が高いほど、高齢化が進展していることを示す

ベトナムだけだとわかりにくいと思いましたので、日本とアメリカのデータを一緒に載せました。(中国やインドも載せた方が良かったでしょうか・・・(^^;)

少し分かりにくいかもしれませんが、この表から読み取れるのは大きく次の2点になるようです。

  • 一般的には青色の期間が人口ボーナス期が最も活発化する期間だそうで、ベトナムは既にその期間を終了している
  • 安定的に人口が増える人口ボーナス期(黄色)は2040年頃まで続く
  • ベトナムの高齢化は2060年時点でも今の日本より進んでいないと予想される

日本やアメリカは人口ボーナス期(黄色)の期間を既に終えているようで、この両国と比較してもベトナムの経済の成長はまだもう少し先まで見込めそうですね。

人口ボーナス期(黄色)が終了して20年後にあたる2060年時点でも、ベトナムの高齢化が今の日本ほど進まないと予想できる根拠については見つけられませんでした。

ベトナムも他の先進国と同じで晩婚化や少子化が進むのと、食糧事情や医療環境の改善に伴って高齢化は進むのは必至だとは思います。高齢化が進まない理由を考えるとしたら、少子化がそこまで進まないと予想されているのかもしれませんね。

ベトナム以外についてのコメント

↑で示した「主要国・地域の人口ボーナス期」という表についてのコメントを追加します。

気が付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、先進国であるアメリカの老齢化指数が日本に比べて極端に低くなっています。これはヒスパニック系の人口動態が影響を及ぼしているようです。

他の先進国と比べてアメリカの市場拡大の期待が優位にあるのは、このためみたいですよ。

上記の表は抜粋ですが、ジェトロのサイトからダウンロードできる元の資料の中では25か国のデータが掲載されています。資料の結論は「長期的にはアフリカ市場に魅力がある」ということで、世界経済全体として考えるのであれば、アフリカ市場に関連した投資を今のうちに進めておくというのもアリかもしれません。

ちなみに、元の資料の中ではベトナムには全く触れられていないのはちょっと残念でした(笑)

ベトナムの経済は人口ボーナス期を背景にどこまで伸びるのか?

以上の情報をそのまま受け取ると、ベトナムの経済はあと20年近くは人口増に伴って順調に成長していくのではないかと思われます。

ただ、1992年に人口ボーナス(青色)が終わっていて、2005年に人口ボーナス(黄色)が終わっているという日本の過去と照らし合わせると、必ずしも人口ボーナス期と経済成長が一致するとは限らないのは明白です。

そう考えると、身も蓋もなくなってしまうわけですが、2016年時点のベトナムの状況は、1992年時点の日本よりも経済的には少し前の状態にあると考えれば、少なくとも10年位は人口増に伴う経済成長が見込めるのではないかなぁと思います。

これは私の私見ですが(笑)

いずれにしても人口動態が経済に及ぼす影響は無視できないのは確かだと思います。そのため今後も引き続き人口に関する情報は収集していこうと考えています。

まとめた内容をA4一枚の書面に

以上の内容をA4一枚の書面にまとめました。

今回の内容もちょっと薄いですが、書面にて参照されたい方はご活用ください(^^ゞ

※すいません、一枚物の画像とダウンロードファイル、一部間違いがありましたので、修正しました。既にダウンロードされた方は再ダウンロードしてください(2021/5/30 20:00)

まとめ

ベトナムの人口に関する情報をまとめてみました。

現在ベトナムはいわゆる人口ボーナス期にあって、経済成長の環境の一つが整っていることが分かりました。

ジェトロのまとめた資料によれば、ベトナムの人口ボーナス期は2040年頃まで続く見込みがあり、これに伴って経済も進展していく可能性があると考えます。

人口動態は経済成長の必要条件であって、十分条件ではないとは思うので、あくまでも一つの情報として捉えていただければと思います。

またベトナムに関する情報をまとめたら記事にしたいと思いますので、ベトナム経済、投資などに興味のある方にご覧いただければと思います。

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